2013年12月3日火曜日

耳栓。〜「狩りガール」取材にて〜

ドラマ・セカンドバージンが人気だったようですが、
しっかりと見逃していたワタクシにおける
セカンドバージンのお相手は

2回目の耳栓でした。
1度目は友人夫婦と雑魚寝した際に気をつかって
奥さまが手渡してくれたものです
(ご主人のイビキ問題)。

これは「目指せ!狩りガール」http://kari-girl.com/企画の
取材で射撃場を訪れたときに「ありちゃん」から
もらったもの。

射撃の発砲音自体は北海道で狩猟の取材をしたときに
聞いたことはあったのですが、
耳への響き方が全然違いました。
やはり、雪が積もっていると音を吸収してくれるし、
何より猟では何発も撃ちません。
射撃は何発も練習するもんですからね。

海外で射撃体験を二度ほどやったことがありますが
いやあ、あの雰囲気とは全然違う(FBIの気分で撃ってたこともあり)。
紳士淑女の競技といった姿勢の正しさを感じました。

最初は直に音を聞いていたいと思ったけれど
これは聞き続けるのはツライと耳栓に助けてもらいました。
お話聞きながらなので途中取ったり、
シムラのように「あんだって??」と大声で聞き返したり
しましたが。

とまあ、ワタシの話はさておき、狩りガール見習い中の
「ありちゃん」はハンターに向けて奮闘中です。
サイトで使用されているイメージ画です。

なんせ、都内にオツトメのフツーのOLさんなので
日中働きながら役所等で必要書類を集めるのも大変。
土日を上手に使って資格を得るための試験を受けたり、
正直、日本で銃を持つことはぜーんぜん簡単ではないと
(横で見ていて)思いました。
時間もかかるし、相当な安全への意識が必要です。

でも、一人でいろいろ手配して勉強、体験する中で
ありちゃんがこの企画を通してわかったことって
とてもいっぱいあるんです。まだ猟に出てない段階なのにね。

なんだろ、一人暮らしをはじめたときに
初めて実感する社会とのつながりのような。
そうか、世の中はこうなっていたんだ!ということを
体でわかる感じというか。きっとそれ以上、
取材で同行している私たちスタッフにもわからない何かを
つかみ取っているのかも?

銃の勉強もあるけれど、野生動物や自然のこと、
法令のことなど、きっと知る楽しさを実感しているんじゃないかな
と思います。ハンターを目指さなければ出会わなかった
素敵な生き方の人々とのつながりも宝物なんだろな。

というわけで「目指せ!狩りガール」のWeb連載はもう10回目。
最初からでも、気になる記事からでも良いので
よかったらごらんくださいね。

バックナンバー
http://kari-girl.com/entries.html

写真に写っている銀色のちっちゃいのは
耳栓だけだと寂しげなので入れただけで耳栓ではありません。
カエルになれないオタマちゃんです。


2013年11月22日金曜日

小春日和のマチョ・リブレ。

エゾリス(蝦夷栗鼠、Sciurus vulgaris orientis


先日、円山のふもと、神宮の森を散策しながら
とある動物のお話を聞く取材がありました。
立ち話をしていると、この方も加わって来ました。
いや今日はアナタの話の日ではないのだよ。

悲しくもうれしい人慣れエゾリス。
好奇心かエサを求めてか、ケーカイしつつも
こちらにどんどん寄ってきます。
で、かわいい仕草の合間にコレ。

ね、前々から言ってきたことだけどさ、
やっぱりエゾリスってマッチョでしょ。
冬毛も手伝って見た目ムキムキ。
実は先月、帯広の森でエゾリスのお話を聞いてきたの
ですが(そのお話はJR Hokkaido誌12月号で)
その時も、決してシマリスのように「かわいい〜」って
タイプの生き物じゃないよねとお話してきました。

森を散策しているとドサッガサッ!ビクッとして
振り向くと木から下りて木の実を枯れ葉の合間に埋めている
エゾリスが。ほんと、シマリスちゃんと比べると
存在感のある小動物です。
絵を描こうとじっくり見ると、
しっかりした頭蓋骨、飛び出した両目、
気がつくとケワシイ顔したスケッチが出来上がってます。
とはいえ冬毛の彼らはたまらない。
マッチョ好きなワタクシにとってはますます
たまらない生き物に見えます。


こちらは円山動物園内どさんこの森の飼育エゾリス。
カリカリカリカリ音を立てて食べ続けています。
器用につかんでいるけれど指先は使ってないのね。
この指もまた、かわい…くない。
野生だなあ。

円山動物園では他にもワタシ好みのマッチョな生き物が。

びよん!びよん!ハイイロカンガルー。エゾの動物じゃないけど。
帯広動物園には「(ワタシが)気になる生き物ランキング」上位の
アカカンガルーがいたんだけれど、ほぼヒト科のオッサンでしたね。

アカカンガルー愛あふれる日記を書いたことも。

また、エゾの動物に戻って
フレーメン顔エゾシカ(♂)。
男っぽさムンムンです。10〜11月は発情期と言われています。
女子たちにアピールしたくてしたくてといった風に
見えました。ああ、ラッティングコール聞きたかったな
(オスジカの雄叫びのような声。
ヨメサンホシ〜ヨ〜って聞こえる。かも)

オス(メグムかアユミ、どっちかわかりません)のシンボル、
角を切られても(安全のため、動物園では角切りします)
ついアピールしてしまう。
メス「うっとうしいわ」。

マッチョなはずが縁側のご隠居のようになっていたのが
ヒマラヤグマ。

ポカポカ。うとうと。

ん??

うとうとうと…

マッチョな大木だけど優しい遊歩道の桂。ここは野生のリスの出没率高し(見かけた時はうれしいけれど
餌付けの結果と思うとモヤモヤモヤ)。



雨上がり。水滴きらきら。
もう少ししたらここも雪景色。




2013年10月30日水曜日

詩と水族館のよる。


谷川俊太郎さんが夜の水族館で詩の朗読会をするという。
鴨が葱…というか、ワタシに言わせれば
マツカワがシャリ背負ってエンガワ差し出したかのような
イベントじゃないかと申し込んだら、なんと当選。
閉館後のすみだ水族館へ。
谷川さんがペンギンたちの前で
手に取ったのは学生のころにヒトメボレして買った
「ペンギンのペンギン」という本。うれしい。

リクエストを求め、こぢんまりとした客席から「朝のリレー」があがる。
「ああ、今日は新しい詩を集めた本しか持って来てなくてね。
古い人気のあるのはかぶるから、新しい本には入れてないんですよ」
と、かわりにネスカフェのCMではないんですが…と
違う「朝」の詩を音読。
ときどき「こえーーー」っと寝付けないペンギンが合いの手を入れて
場をゆるませる。

朗読ばかりでも何だからと、後半は谷川さんへの質問箱に。
洒落っ気のある死に際の話に笑ってしまった。
詩からは気持ちが伝わり、目の前にすると緊張感を与えてくれる存在、
80になっても「おじーちゃん」ではなく素敵な同時代の「おじさま」でした。


都会の水族館らしい夜のもよおし。
主役を迎える前の飼育員さんのおはなしも
興味深く、とてもあたたかい
Bedtime Storiesのようなひととき。
ケンカしてても仲直りできそうな。

オットセイもうつらうつら。

北海道の動物話じゃないけれど、
「水族館と詩人の夜」がとても心地良かったという
おはなしでした。

2013年10月27日日曜日

そらのくま。


北海道を代表する野生動物。
日本の陸上哺乳類で最強。

偉大で恐ろしい山の神、
それは……

ど〜も〜。くまです。

今回の北海道出張では「道民の翼」を利用しました。

こちらの広告塔はベア・ドゥくん。
数ある航空会社のキャラクターの中でも
かなりステキデザインなシロクマですね。
彼がホッキョクグマなのか、アルビノのヒグマなのかは
わかりませんが、
この確信的に無垢な顔つきを見ていると
「ヒグマたれ!」
と手元のボールペンが動いてしまいました。

 りりしく。

ガオガオと。
ドングリも写る方がいいかな、えーと、えーと…って、
こっそり撮影していたら、
「お済みですね」
って下げられました。
まさかオトナがこんなことしているとは
思わなかったのでしょう。
ちょっと恥ずかしかった。

道内でご本人登場(出没)することもなく、無事に帰りの便。


ひょこっと。

エゾリスたれ!


北海道の動物たち、冬毛にかわって
冬眠するもの
巣ごもりするもの
越冬するもの
それぞれたくましく
長くきびしい季節に向かっています。

ちなみにシマリスは冬眠して、エゾリスは冬も活動します。
活動時間は減りますけどね。

ヒグマ緋熊樋熊)Ursus arctos
エゾリス(蝦夷栗鼠)Sciurus vulgaris orientis 

2013年9月5日木曜日

取材のお供。

北海道出張ではイキモノに関わる専門家や
地域で活動されている方、
そのイキモノに魅入ってしまった方と
さまざまなヒトのお話を聞きます。
下取材として気になる場所やヒトを訪ねることも。

そんな取材旅のお供は一眼レフカメラ、コンパクトデジカメ、
資料、ノート、乙女の身だしなみセットなどなど、
なかなかの荷物となります。
場所もさまざまで事務所やお店、園館といったインドアの場合も、
お話を聞く方のフィールドを案内してもらう
こともあり、アウトドアになると
上記のアイテムにカッパや帽子、虫除け、飲み物、双眼鏡が
プラスされたりしてズッシリ。

なので必須の物以外はなるべく軽量化するように
なりました。
気づいたらモンベル率の高いこと。
普段は超インドア生活。なのにここまでモンベル愛用者って
いるんでしょうか?
サブ扱いで買ったポケッタブルなはずのバッグが
軽いからといつのまにかメインに昇格。
お財布も運気上昇の長財布を使っていましたが「重い」という
理由で旅中はモンベルのコンパクトな財布に。
中身の入れ替えが面倒なことから、旅以外でも
この財布を持ち歩くようになってしまいました。

雨蛙がま口は江戸の職人物です。
真ん中のコウモリのは扇子。
スタビロの蛍光ペンには白鳥のマーク。
いやしかし、グリーンだなあ。そんなつもりじゃ
なかったのにおかしいな。
もうちょっと乙女色を取り入れなくては。

そんな荷物とともにお話を聞いて描いた、
特急の車内誌JR Hokkaido
ほっかいどうイキモノート9月号が乗車しました。

白老にあるウヨロ川のフットパスを歩いて
サケの遡上を見学しましたよ。
いやあ、今までに見たことのない光景に出会って驚いた。
機会があればあの躍動を感じてほしい。
ホッチャレって悲しく見えるけど、サケの一生を思えば
目的を遂げた姿なのかもしれません。
サケは目がいいのでヒトが近づきすぎると
驚いてしまいます。どうぞ、そ〜っとのぞいて見てごらん
(いや、のぞかなくても見えるんですが)。

今はこの先の記事の準備中。
取材の延長で国内移入種の調査を見学したり、
網の中には北海道在来種じゃないカエルが。

朝の散策で夜に命尽きたコウモリを見つけたりしました。
コテングコウモリかも。もうアリが様子を見に来ていました。
ほかの媒体でもそうですが、体験したことのうち
掲載できるのはポイントやテーマにしぼったほんのちょっと。
なので、このコウモリ亡骸の横にキツネらしきうんこが
あった話などは記事には載りません。
でもまた次の何かにつながるかも?
こうして灰色の脳細胞にキーワードとして
記録されていきます。

脳みそは軽量化したくないんだけど、
そうも行かず「あれなんだっけ、あれ、それ、どれ?」と
なっちゃうのが残念なんですけどね。

2013年8月14日水曜日

仕事の余白。朝顔に蛙。

先ほど北斎の「frog on morning glory」を見かけまして
イラスト描いてた余白に走り描きしました。


手元の色鉛筆なのでやや不満のこりますが
余白画なので良しとします。
カエルの中ではニホンアマガエルが好きでして。
これは北海道でも在来種になります。
もう一種の在来種はエゾアカガエル。
北海道には二種類しかいません。
本来は。

それがいろいろな理由で移入しまして、
トノサマ、ヒキ、トウキョウダルマと広がって
いまやウシガエルまでモウモウ鳴いているようですよ。

カエルは両生類。哺乳類とは快適な温度が違います。
私もよくアマガエルを手づかみで観察したりしたんですが、
ヒトの体温は熱すぎるそう。カエルにとっては
ヤケドしちゃうぜって苦しい状態なんですって。
夏休みに観察するなら、水にひたすか
手を水で冷やして乗せた方が良さそうです。
それも短時間ね。
で、何度も言ってるけど、
さわったら手を洗いましょう。
そのまま目をこすったらエライことになっちゃうぞ。

仕事の余白ばかりではアレなのでイキモノがらみのお仕事紹介。

☆車内誌「JR Hokkaido」8月号ぜっさん乗車中。
 今回は異色のモノノケ描いてます。

☆Web「目指せ!狩りガール」連載中。
http://kari-girl.com/
 主人公ありちゃんが実際にハンターを目指す様子を
 取材し、猟友会からの情報やハンターさんの声などを踏まえ、
 イラストと文章と写真で再構成してお届けしています。
 リアルに追っているので私も毎回展開が読めません。
 彼女といっしょに冒険気分を味わっていますよ。

☆しむかっぷ村鹿カレー パッケージイラスト描きました。
阿寒もみじにつづき、占冠でも鹿カレーの絵を描くことができました。
ふたつともレトルトだけど味は本格派。おいしさもそれぞれ違います。
エゾシカのカレーが多彩になるのはうれしいです。
これについてはまた今度じっくり。

2013年7月11日木曜日

ハキリアリのボレロ。

BSワイルドライフはたいがい面白いのだけど
ハキリアリの回はその中でも感動の度合いが高かった。
何が良かったって、BGM。
バレエ音楽のボレロとともに働きアリが大行進。
酒場でダンサーとともに盛りあがる男たちのように
(ボレロのストーリー)、
アリの生態に興奮してしまう。


一転、葉を運ぶ驚きの生態が連続する動のリズムから
花びらを運ぶアリの静のリズムに。
彼らの一生の終演には
つい小さな蟻にヒトの感情を重ねてしまう。
シルヴィ・ギエムのボレロを何度か観たのだけれど、
興奮のあとに静かな感動が余韻で残る、
そんな気持ちをアリの番組にも感じてしまった。
とはいえ、ギエムのバレエ鑑賞後とまったく違うのは
一番印象に残った記憶が

「女王アリのビジュアルすごすぎ!」

だったこと。
カーテンコールであの女王出てきたら逃げますわ。

北海道の動物の話ではありません。
南米にお棲まいのアリさんの話でした。

追記>>
イラストに女王アリの「複眼みたいのが」と描いてますが
「単眼だよ」と教えてもらいました。
しかも、トンボとか飛ぶ昆虫には複眼のほかに単眼(やっぱり3つ)を
持つものが多いみたい。気付かなかった−。
複眼は解像度荒いけど口径が広いレンズ搭載した連写が得意なカメラで、
単眼は光センサー?みたいな感じか。
アリの目にうつる光景を知りたくなったよ。

虫の見るリアルな風景の話、どこかで聞けるといいなあ。
鳥もそうだけど紫外線見えちゃうから全然色味が違うんだろな。
ちなみに甲殻類も複眼と単眼を持っているみたい。
やっぱ、エビは虫に近いんだわ……


2013年7月9日火曜日

JR Hokkaido 7月号出てました。天売島でイキモノート。

おあつうございます。

江戸は梅雨、やうやう蒸されつつ、
また引きこもりがちかな。
(室内が水槽と化していたので、
エアコンを使用。ああ外に出る気がしない)

風流ですな。
あ、なんて言っている間に梅雨明けしたんですね。
猛暑に夕立、雷ゴロゴロ、情熱熱風がセレナーデでございます。

こんな季節は先日取材してきた羽幌町〜天売島が
思い出されます。春なのに船上ではダウン着てました。

貴重な連載なのにあまりこちらで
紹介していませんでしたが、
JR Hokkaido7月号ぜっさん乗車中です。
一部書店での取り扱いもありますが
ぜひ北海道の汽車(特急)の旅に出かけて
ゲットナウしてきてください。

今回の取材は天売島。
前にサロベツ湿原の取材に行く途中で羽幌の
「北海道海鳥センター」に立ち寄り、
その施設の素晴らしさとケイマフリの形状に魅了され、
いつかココと天売島を取り上げたい、ケイマフリ描きたい…と
ふつふつ思っておりましたら実現しました。わーい。
以下、誌面とあわせて見てもらえると
いいのですが…。
眺めのいい島。両側のボコボコは繁殖のためのウトウの巣。

ほぼペンギン的様相の海鳥たち。
北海道の西海岸、オロロンラインからも
オロロン鳥ことウミガラスが有名ですが、
ここを訪れる8種の海鳥がそれぞれに魅力的でした。
(この8種の種名を連ねるだけで本文の文字数
足りなくなりそうになったけど、ぜったいに全部
載せたかった…)

ボートからやっと見られたケイマフリ。

とくに、ケイマフリとウトウの体つきといったら!
海で暮らすために進化した形状なんだろうけど、
なんてキュートなオシリなの。
海にいれば安全。でも繁殖のために慣れない陸地に
上がらねばならない。
どてっ、ボテボテ、ボテ。
夜間のウトウウォッチングツアーに参加すると
巣穴に戻るウトウの不器用な着地に
どうも失笑してしまう。
でも、これが彼らの命がけの子育て。
見た目はかわいらしく、その生き様は必死。
ウトウからエサを奪うウミネコだって、それが彼らの
子育て術なのだ。悪者扱いはできない。

そんな島の生態系に新たに侵入してきたのが
誌面でも紹介した、猫たち。
くわしくはぜひこちらの
今回お世話になった海鳥センターの石郷岡さんの記事を…
「天売島の海鳥とネコ」
http://sapporo-wbsj.org/archives/3977

ここで、
今回の旅で出合ったネコレクション
(アド街の曲を思い出しながら…)。

まあまあ荒ぶる目つきで、
完全に猫ギャングな風貌なんだけど、
たくましく、海鳥を圧倒しつつ生きてます。
島では、鳥も猫も人も生きていく方法を検討しています。

今回の旅ではウミスズメ以外の7種を
見ることができました。
島内に35羽しかいない(それでも少しだけ増えてきた)
ウミガラスもなんとか1羽だけ発見。
ボートからは何羽も見られたケイマフリも、
世界的に見ればウミガラスより危機的な生息数。
地元では当たり前の光景が、
実は稀少なものだったりするのですね。
調査研究の人、地元の人、
地元を盛りたてる観光客。ぜんぶの連携が
必要だなあと感じた旅でした。

今度どこかで8種全部描きたいな。

今月の便乗。
なんと愛読している北海道の自然グラフィック誌ファウラの
特集も天売島でした!表紙の赤い足ちゃん、かわいいのう。
これ見た人がJR誌にも出合ってくれるといいなあ。

毎月そうなんですけどね、
今回もアポ取りから旅に出て帰ってくるまで
うれしい出会いがありましたよ。
とても誌面には書ききれなかったけど
滞在先の萬谷旅館のご主人のお話も面白かった。
以前から作品は見ていた天売在住写真家の
寺沢さんのガイドを聞けたのもうれしかったなあ。

あ、ちなみに、ウミガラスやケイマフリなどの
今の姿は夏羽。冬になると別人のようになります。
そんな変化も楽しいのです。


2013年6月23日日曜日

「夜が降りつもる。」

「夜が降りつもる。」

北海道の羊蹄山近くの森にて。
せんじつ、夕暮れから夜更けまで
ジッと森を見つめ、耳をすましました。
何か見えるような
聞こえるような。
ヒトの視力の限界を想像力でおぎなって
不思議な感覚をとぎすます。


ほおお。ひいい。ぎぎぎ。ざざざ。
目をこらせばこらすほど。
いけないものを見つけるような。

向こうからはしっかり
見られていたんだろうな。

なんだかその感覚が忘れられず描きました。




「鵺の鳴く夜」15″で一度鳴くだけ。あとは特に何もない44秒間です。夜に鳴くトラツグミです。

2013年5月23日木曜日

夏日に真冬を思い出す。恵山のゴッコ


ゴッコ(ホテイウオ、Aptocyclus ventricosus

北海道取材で冷え冷えになったと思ったら、
お江戸に帰ってきた途端、連日の夏日。
桜満開の札幌で二度目の春も体験し、もう季節感が既視感のよう。

思い切ってふと思い出した真冬の話をします。


前に「ごっこまつり」で有名な(え、知らない?)
恵山町の祭り担当さんにお話を聞いたことがあって、
ひととおり取材したあと、
一番聞いてみたかった質問をしました。
「ゴッコカーリングはどうなりましたか?」
前にローカルニュースで見て、そのシュールさに
爆笑してしまい、以来気になっていたのです。

まんまるの冷凍ゴッコをストーンのように滑らすゲーム。
たった一日、しかも2時間ほどしか開催されない寒い祭りの
中でゴッコ汁配布とともに盛りあがる企画だったよう。
が、もう開催されていません。
どこだかの街のサンマ祭りで開催されていた
サンマ投げコンテストに苦情が来たらしく、
自粛されたようです。
生きてるサンマじゃないんだけどな。
やはり食べ物を投てきすることに嫌悪感を持つ方も
多いのでしょう。

見てみたかった。できればカーリングしてみたかった
(嫌な方ごめんなさい)。
寒い季節はできるだけバカバカしいことを(失礼)真剣に
楽しみたいもの。関係ないけど、
山登りでツライときはできるだけアホなオシャベリを
すると乗り切れると聞いたことがあります。

ちなみに恵山ごっこまつり、なんと来年で24回目。
長く続いているんです。
突然の電話取材にも関わらず、
この担当さんはものすごく丁寧に応対してくれました。
嬉しかったな〜、会ってみたいな〜と、
ゴッコの可愛らしさとともに思い出すのです。
彼のおかげでゴッコ祭りに行って見たくなりました。
でもタイミング合わなくてなかなか行けないんだよな〜。
同じく極寒の2月に開催される
陸別町の「しばれフェスティバル」とともに、
行って見たい祭りのひとつです。

そうそう、前に登別のスーパーで
パック詰めのゴッコを見て驚いたことが
あります。とても魚には見えなかった。
ぶよぶよした何かが、パックの中でミチミチに
なってラップされている。シュール。
びっくりしたけど、ゴッコ汁はとっっってもおいしかった。

でもきっと今日は
アイスの方が食べたくなるんだろーなー。
ハーゲンダッツのミントとか。

イラストはイラストコラムで使用したものの一部です。

2013年4月14日日曜日

栗山町にて「バードウォッチング入門」開催。

チラシの画像をクリックして見てくださいね。
もしくはこちらが詳しいです。http://uenbetsu.jp/

ワタシが勝手に栗山親善大使に任命している栗山出身ナカイさんのおかげで
栗山町で自然に親しむ機会が増えました。
そこで出会ったのが鳥師匠の諸橋さん。
彼をはじめ、こちらのスタッフの皆さんの自然との
ふれあい方が好きで、いろいろ教えてもらっているし、
これからも教えてもらいたいと思っています。
(なんかね、とにかく楽しそうに自然と
付き合っている皆さんなんです)

その諸橋さん、おそらく鳥好きの方には画伯としても
知られているでしょう。ワタシも愛用している
北海道野鳥図鑑の緻密な挿絵を描かれています。
その野鳥図鑑の改訂版もついて
しかも一泊で楽しめるなんていいなあ。

残念ながらワタシは都合がつかず行けないのですが、
日ごろ、ユリカモメみたいな何か、
なんとかガモ、
なんとかビタキ

なんとか頼りがひどすぎるワタクシには
うってつけのイベントです。
愛用の双眼鏡をぜんぜん愛用できていないから
イチから教えてもらいたかったし
(イベントでは双眼鏡がなくても貸してもらえますよ)。
さえずりと地鳴きの差もあやふや。
きょ年の夏なんて何度も「今のなに?」って
聞いた鳴き声がすべてアオジでしたから。

なー、行きたかったなー。

というわけで、こころからおすすめします。
鳥にそれほど興味なくても
春の森の空気を楽しむだけでも
気持ちいいと思いますよ。

そうそう!バードウォッチングの時…をはじめ
アウトドアや雨のおでかけにおすすめなのが
こちら!
http://c05.future-shop.jp/~wildbird/qform.html
日本野鳥の会の長靴です。
公共交通機関で取材におもむくことの多いワタシも
愛用している折りたたみ長靴ですよ。
なんとこのラインナップにカラフルな色が
仲間入り予定なのだとか。
そのファン投票を絶賛開催中です。
ワタシもさっそく投票。
どうかあの色に決まりますように。

2013年4月12日金曜日

専門家に、シロウトならではの質問をしてみる。

先日開催されたマニアナバンサンカイ
生き物の調査をなりわいとされている方々中心に
楽しい横のつながりができる会でございました。

そんな二次会、いや三次会か。
そのあたりで常々気になっているものの、くだらなすぎて
今までできなかった質問を専門家の方に聞いてみました。
いろいろな動物にくわしい獣医さんに聞きたい。
しかも今両隣にいるじゃないか。
ああ、おふたりがやさしい方であるのをいいことに
欲求を満たしてしまいました。

まず、動物園のどうぶつたちを診ることが多いTさんに。
園内の動物たちでトーナメント戦をやったら
どの生き物が最強でしょうかね?

ワタシの予想は猛獣。トラか?ヒグマか?

「カバ…ですかね」

でた!カバ最強説。
やっぱりか。やはり突進したときの力強さはものすごいものが
あるそうです。噛む力もあなどれません。
ドンちゃん怒らしちゃだめだ。
ただいまの後はガラガラとウガイも約束しますから!


もうおひと方、こちらは爬虫類と両生類にくわしいBさん。
爬虫類トーナメント戦をやったら何が最強なのでしょうか?

「それは、毒問題をどうするかによりますね」

ああそうか!毒か!それは判定がむずかしい。
じゃあ質問を変えまして、
密室でふたりきりになりたくない爬虫類はなんですか?

これ、即答でした。

「大蛇ですね」

え。
なんとかマンバのが怖くないですか?

「たしかに毒蛇も怖いけれど、やはり大蛇のシメツケからは逃げられないです」

たしかに。
そういえば某飼育員さんはビルマニシキヘビに絞められながら
頭を咬まれたんだった(この方は無事生還しています)。
毒蛇はこちらが下手に暴れなければ
部屋の端と端で共存できそうだけど(ワタシ低体温だし)、
大蛇が万が一ハラペコだった場合対抗策が難しそうだ。

(とはいえ、大蛇が食べまくる映画アナコンダではツッコミ入れたくなる
シーンがいろいろあったそうです)


以上、お酒の席だったので記憶が曖昧なのが残念。
またどこかで、大まじめにこの手の質問ができる機会が
できるとうれしいです。

シロウトの質問は
湯水のごとく。


2013年3月26日火曜日

訂正。まぎらわしい問題

二つ前の「マニアな晩餐会」イラストの記事。
http://etobunshainyezo.blogspot.jp/2013/03/blog-post_5.html

北欧神話に出てきます「世界樹」のことを
ユグドシラルと書いてますが、なんか違和感があって
しらべたら、ユグドラシルが正解でしたね。
失礼いたしました。

いまだにコミュニケーションとコミニュケーション(前が正解)も
うーん?って考えてから書いているし、
なおざりとおざなりの使い分けも微妙です。

「ラテのホットをトールでヘーゼルナッツシロップ追加で」
みたいなことは間違えないんですけどねえ。
まぎらわしいと言えばオオハクチョウとコハクチョウの
見分けもつきません。くちばしの黄色い部分の大きさが違う…
と聞いてもよくわからない…

って、あれ?

望遠だったのに見つかった。見られてました。
ってか、カモもいたのか。

2013年3月長都沼にて。


2013年3月19日火曜日

猛禽類のフライト。

タカ目 Accipitriformes フクロウ目 Strigiformes


桃の節句の日、千葉の関宿城近くで行われた
フライトフェスタ2013に行ってきました。http://bikervet.exblog.jp/19251369/

友人のファルコナー(鷹匠)マリコさんの日記で毎年見ていて
いつか行ってみたい!と思っていたイベント。
場の雰囲気だけで感激でしたよ。

競技にエントリーしてるハヤブサやオオタカたち。
エキシビションに参加するのか?場を彩っていた
フクロウやヒメコンドルなどさまざまな猛禽類と飼い主のみなさん。
飼育用の販売で展示されている猛禽たちもいて
眺めているだけで飽きません。
天守閣をぐるりとまわる鳥の美しいこと。
野生のトビやハイタカも様子を見に来ていました。

自分の中で一番盛りあがったのがハヤブサのスカイトライアル。

鷹匠の手から飛んだハヤブサがぐんぐん高く舞い上がり、
いい高さまで上がったら鷹匠がハトやキジを放ちます。
Stooooooooop!!!!
途端に空の点だったハヤブサが急降下。
獲物めがけてアタックします。

とはいえ、なかなか決まるもんじゃありません。
なかなか戻ってこなかったり、
高く飛ばなかったり。
そんな中で上手く決まると拍手喝采。
F1なみの速度なんだろなあ。

前に円山動物園でお勉強した知識だと、タカと鷹匠は
犬と飼い主のような関係にはなりません。
タカはなついているワケではなく
鷹匠を自分の猟場と思っているだけ。
おなかがいっぱいなら、言うことはききません。
ってことを知っていても、長年飼っているタカと鷹匠を
見ていると何かのつながりを感じてしまいました。
まあ、そういう見方をついしてしまうのが
人間なんでしょうけど。

風が強かったので残念ながら風切羽が風を切る音は
聞こえなかったけど、いやあ楽しかった。

マリコさんのご主人が手がけるstooperのブースで
すこし遊んで、
うっかりフクロウ飼育の夢まで見ましたよ。
まるでハリーポッターのロンが飼っている
ピッグウィジョンみたいな小さいフクロウが
いまして。小説では豆ふくろうと呼ばれていたけど
そいつはコキンメフクロウかと。
いやあ、ふてぶてしい感じが好みでしたね。


今は飼えないのでとりあえず描きました。


2013年3月5日火曜日

啓蟄。

きょうは啓蟄でございました。
北海道にいると「どこがじゃ」と思うけれど
東京におりますと、じわじわ春の気配を
感じるもんですね。

そんなモゾモゾした日に似合いそうなイラストを
描いていたのでした。

<北海道希少生物調査会>が行う
いきものイベントのフライヤー用のイラストと
手描きタイトルです。好き勝手描きました。
主宰いわく、にわかに盛り上がりを見せているイキモノ団体との
ことですが、「にわかに」というのは謙遜で、
地味にイキモノに取り組んできた経験値の高いみなさんが
じわじわ積み上げてきたことが
結びついたような印象?とでもいうのか。こういう皆さんとの
出会いがたまらんです。アイデアのみなもとです。

文字タイトルをスミ一色で描いていたら
イラストのイメージをうけて(エゾシ会議でも組んだ)
村上bonさんが色づけしてくれました。
この色合いも気に入っています。

ちなみに、参加者の誰も気づかないであろう
この絵を描くきっかけとなったのは
ダーウィンの走り書きでした。進化の木。
ユグドシラル ユグドラシルの一部分のようなイタズラ描き?
うーん、この絵はそんな説明くさい解説はありません。
みなさんの印象のままに。
なんでしょうね。
この時いちばん描きたかったものです。

あと、下のはほんとの思うがままの走り描き。
けいちつ…ってブツブツつぶやきながら
描いた、もっとモゾモゾゾワゾワした絵。
やりすぎた感があるけど、
まあいいや。

この羽は誰のものでしょう?
その話はまた今度。

雪どけのつめたい水が池にながれこみ、
エゾアカガエルがキュルキュルルと鳴いて、
恋の季節がはじまります。
オスは先に来てメスを待っています。
温度と環境がととのえばタピオカみたいな卵が
かたまりとなって産卵され、オタマがうまれます。
今年もつめたい水がちゃーんと
水場に流れ込みますように。