2010年1月25日月曜日

コンタクト屋のチラシいらずの視力8.0。トビのフリーフライト


トビ(鳶、Milvus migrans
円山動物園には体験イベントがたくさんある。
旭山が「見せる」なら円山は「させる」かな。この冬勝手に注目してる釧路は
どうなんだろう。行ってみたいです。
帯広は「象」。北海道で象を見るならここしかないの。
骨格標本なら円山でも見られます。注目は「鼻」部分がどーなってるか
(今日の記事の下に小さく書いておこうか)。

ああ、トンビの話でした。
ってくらいタカの仲間では注目度の低い鳥なのかも。
小鳥界のヒヨドリ的な扱いかしら。身近だものね。
鳶が鷹を産む、ってことわざだってなんか差別されてるし。

猛禽類の野生復帰を助けるために
リハビリとして必要なのが鷹匠の技術。
円山のイベント「猛禽類のフリーフライト」では、
その技を実演して見せてくれるの。もちろん体験も。
このとき活躍するのがトビ。










これが好きでして。何回見ても飽きないのね。

ワタシのトビ知識って、
ぐるぐる輪を描いて
ピーヒョロロって油揚げさらう鳶色の鳥、
くらいのもんでした。
なので色々新しく知ることが
できてカンゲキ。

くわしくはぜひ円山で説明を聞いてほしい
んですが、一個だけ書きます。

とにかく最初におどろいたのは視力の良さ。
トビの視力はヒトの3倍以上は軽くあるそう。鳥目なんて言葉から
あんまり視力スゴイってイメージはなかったのね
(鳥目って、ほぼ嘘じゃないのかな。
家畜の鶏を見た人が言ったのではないだろか?)。

ええと、前に鷹匠の飼育員さんが言ってたのは
円山から…ええと、琴似…?
桑園…
菊水……?

ごめん、忘れちゃった。どこだっけ。
とにかく、3キロ先のネズミは見える、らしい。
100mくらい上空も飛ぶから、そこから見えちゃうんだろね。
 ワタシもこの業界ではめずらしい裸族(裸眼ね)なんですが、
さすがに負けます。
望遠にも広角にもなる高性能レンズの持ち主なんだって。
タカ類の中でも大きい方だけど、狩るのは小動物。
あとは死肉を見つけていただく。
だから足の力はそんなに強くないのです。
強くないから大きな獲物に行かないのかも
しれないけどね。
きっとその辺は他のタカと
バッティングしないよううまくできているんでしょう。
トビは森の掃除屋さん。くるりと輪を描き
何かないかと探してます。
大きな翼で風をとらえて。


鳥の羽根を描いていると、爬虫類からの進化を感じる。
うろこの一枚が羽根の一枚になったのかな。
プテラノドンとか始祖鳥とか、うろこと羽根の中間の
なにかがあったのかな?
(余談:M-1、笑い飯の「鳥人」は最高だった。伝説のネタだね。

で、足先凍らせながら体験してきたフリーフライト。
今飛んでいるのはオスのデューク。翼にぽやぽやな羽根のクセがある個体。
「メスのビリーの方がおっきくてカッコイイんだよねえ」
って前に別の飼育員さんが言ってたけど、うん、たしかに。
(猛禽類は子育ての関係でメスの方が大きい)
なんか今日もデュークは尾っぽが一本曲がってたし、
ひょっとしたらモテないタイプかもしれない。
けど、
それでもやっぱり素敵でしたよ。ヒトのメスから見ると。

生き物の正面顔が好きなので、前にデュークを真正面から
撮ってたら、「猛禽は横顔がいいんだよ」と。
というわけでデュークの横顔を。
これは秋。
そしてこれは冬。つまり今日(24日曜)。寒かったなあ。



翼に白いぽやぽやのクセがあって、
それが寝グセみたいで、なんか好き。
意外にさ、
羽生棋士みたいなのがタイプだったりするのか?ワタクシ。

んでね、象の鼻には骨が無いのです。
だから骨格だけ見ると象っぽくない。 

2010年1月18日月曜日

捕食者のニオイをつけるリス。擬臭。

エゾリス(蝦夷栗鼠、Sciurus vulgaris orientis
北海道だけに生息するキタリス種の亜種
いろんな生き物に興味がありますが、
ちっちゃくてかわいいヤツより、
小学生男子のように
ちょいコワモテ動物にひかれます。
だからさ、仕事以外でリスを描くことは
あまりなかったんです。

そんなある日、こんな行動学に
出合いました。
2007年12月朝日新聞の記事によると(*)
カリフォルニア大のクラカスさんが
「ジリスと呼ばれるリスの仲間などが、
ガラガラヘビの皮をかんでから
自分の毛皮をなめ、においをつけている
こと」を観察したとのこと。

擬臭です。
生き物が補食や身を守るために自分を「装う」習性では
擬態の方が有名ですが、これはその
ニオイ版てな感じか。
自分を捕食するヘビに「ほかのヘビがいますよ」と
思わせる?

そんなリスの行動について、ワタシの好きな
この本にも書いてありました。
「先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!」
著者は人間と動物の行動学が専門の
小林朋道教授(鳥取環境大学)。
ここ数年読んだ本ではベスト5に入るかも。
1Q84より上位。 いや、1Q84まだ読んでなかった。

小林先生が実験したのは野生のシマリス。
捕獲したヘビに麻酔をかけ
リスの行動範囲に置く。
するとリスは逃げるどころかヘビが動かないのを
確かめ、頭をかじり、それを自分に塗りつけたと。
これ、シベリアシマリス以外のげっ歯類では
見つかってなかったそう。そんなところに
届いたのが最初のジリスのニュースでした、
と書いてあります。

食べられるかもしれない相手に
近づいてかじる!チャレンジャーだなあ。
それが脱皮した皮だって嫌なもんでしょ?
そこまで恐怖と習性がとなりあってる
のって面白いなあ。

そこで思う。
それならエゾシマリスもやるかも。
ってことは、同じく樹上生活リスのエゾリスだって
やらないかな?
カラダの大きなエゾリスよりも
シマリスのが、やんちゃらしいけど。
でもあの風体、やりかねないんじゃないか?

エゾリスを観察していて思ったんだけど、
そんなに言うほどカワイくないんですよ。
シマリスと比べて、ケモノ度高し。
指なんて悪魔っぽいし。
けっこう好みかも。

というわけで、そんな思いを描いてみました。
エゾリスが擬臭行動をとるかは
わかりません。
絵で手にしているのはアオダイショウの
しっぽです。どこかにウロコの一部も
切り抜きされてたりして。

もし手元にアオダイショウの皮か
尿の固まりなんかがあれば、
そっと、あの森のあの辺に
置いてみたくなる衝動にかられるなあ。

うーん、やっぱり
かわいいね。





*該当記事はただいま探してるとこです。

はじめに、ごあいさつ。

知っている人も知らない人もコンニチハ。

生き物を描くのが好きで、日常の雑記ブログでもいろいろ
走り描きしていました。そしたら、
「動物の話、独立させてもいいかもね」
なんてアドバイスをいただき、やってみることにしました。

そもそもは、だいぶ前に北海道のスーベニアブランド
「north island」用に北海道の野生動物のイラストを
描いていたのがきっかけです。
ま、そんなにたくさんは商品化されなかったんだけどね。

んで、いいかげんに見えるタッチなんですが、
実は描くためにいろいろ生態なんかを調べておりまして。
そのうち動物自体に興味がわいてきまして。
そしたら 生き物コラムを描くお仕事も経験できて
ますます楽しくなったのでした。

もともとが知りたがり屋の臆病者でして。ああ、
臆病なのは関係ないんだけど。
知りたがりなのでつい、
雪虫のおしりのフワフワはなんなのかとか、
へえ、エゾシカのおしりの白い部分が広がるのには
意味があるのかとか……別におしりばっかりに
興味あるわけじゃないんだけど……
いろいろ気になってしまうのでした。

そんな疑問とか、小さい発見とか、
くわしい方々に聞いたり
本を見て感動したお話とかを、
ワタシらしいやり方で絵にしたいなと思って。

で、ここは、
そんな絵の倉庫みたいなところになりそうです。


ええと、
よかったら、時々見に来てください。
できればコメントなんてもらえると
うれしくてハマータイムを踊ります。

ニーオカカオリ/エトブン社