2015年10月2日金曜日

おいしいエゾシカ学〜札幌にてお話をします。

昨年も開催された、エゾシカを楽しく知る講座
おいしいエゾシカ学~札幌を元気にする森の幸~
が、札幌の「ちえりあ」で開催されます。
明日10月3日土曜日と17日土曜日。
17日は私もお話をいたします。

詳しくはこちら。募集の状況などは札幌市生涯学習センターに
お問い合わせくださいね。まだ参加できるかも?
http://www.yezodeer.com/shirou/ezosikagaku/2015/150908.pdf


エトブン社のお話は、取材などを通して見てきた
エゾシカにまつわるお話と、都会に住みながらハンターになった女性を
見てきて感じたお話などなど。意外に思う内容もあるかもしれません。
私がワタワタとお話した後には
青ちゃんこと青山さんのお料理の話。北海道で流通されるようになってきた
エゾシカ肉の調理のコツなどがわかるのでは?私もメモとって
聞いてみたいと思います。

会場でお会いできるみなさま、よろしくお願いいたします。

2015年9月6日日曜日

重陽の節句。タヌキツネコ3号

キク(菊、Chrysanthemum morifolium
家菊〜天平時代に中国より渡来。観賞用・食用植物として栽培。
キクに在来種は無いがキク科の在来種は日本に多数生育している。



ハロウィンの前に重陽の節句があるじゃないか、と描いてみました。
北海道にも家菊のお祭りが北見、帯広、札幌で開催されます。
ほーら!重陽を祝う祭りが…って開催日見たら10月末から11月に
かけてでした。ああ、逆にハロウィンにかぶってる…。こちらは
ハロウィンといっしょに立派で多様な家菊の世界をお楽しみください。
いまや恵方巻きが全国区になっちゃったように、上賀茂神社の
重陽神事を真似てみるのもいいかもしれん。
みそぎして、カラスにあやかりカーカーカーコーコーコーと鳴き、
子どもたちが烏相撲。菊酒のんでやんややんやと。
最終的にバチアタリにならない程度に、菊を飾って健康と長寿と厄払い
してはいかがでしょう。

2015年6月19日金曜日

ひっかかる植物。タヌキツネコ2号

ホップ(勿布、Humulus lupulus、和名セイヨウカラハナソウ西洋唐花草)


このホップは北海道からの贈りもの。
そもそも日本では北海道でしか自生していないようで、
関東の西日がモロに当たるベランダでは
伸びないかもと思っていたら、梅雨入りの現在
厳しい環境を勝ち抜いた苗が上の階に届かんばかりに育っている。

いつのまにかこのホップに尺取り虫がいっぴき。おや、かわいいの。
シャク・ユミコと名付け愛でている。いや、いた。
2〜3cmだったユミコはまるまると大きく育ち、
ケバだって食感が悪そうな葉をもりもり食べ、
5.5cmまで成長。尺取り虫のウンコがかなり存在感のある
黒いツブだということも初めて知った。
その後、ユミコは行方不明。
ウンコと食べかけの葉だけ残していなくなった。

考えられる可能性は
◎サナギになるため土にもぐった。
土にもぐることを初めて知る(ファーブルの森さんありがとう)
◎土にもぐったけど羽化できず…
◎鳥にやられた
など。
できれば目の前で羽化のシーンを見られるのが
ベストだけど、難しい気もする。
ちなみにいろいろ調べたところ、ユミコはヨモギエダシャクらしい。
アップで見るとオオムラサキみたいにキュートな顔ではなく
はやく人間になりたい妖怪人間ベロの頭部に似ている。
イモムシとしては立派な体躯だったけど、
蛾になったら割と地味で小さい姿のよう。
それでも晴れ着姿を見たいのが育ての親ごころ。

懸念すべきはこないだの出来事。
スズメが一匹チュンチュンチチチチと警戒声を
鳴らしながらベランダの手すりにとまった。
むむ。
すると手慣れた感じでベランダに降り、
ユミコがいたと思われる方のプランターの
土の上にチョン。
んん、なんだか前においしい思いでもしたかのような
行動じゃないか。

小鳥の中で一番好きかもしれないスズメ。
でもこのときばかりは無法者に見えました。

ホップは花芽をつけました。
うれしいな。

2015年6月11日木曜日

取材の体力。

さいきん、ガチャピンチャレンジばりに小冒険を繰り広げている
ワタクシ。そんな取材模様の思いなどをnoteにしたためました。
よかったらご覧くださいませ。

エトブン社のnote。「もぐる。」
https://note.mu/etobunsha/n/nee016f2b9b99

https://note.mu/etobunsha

2015年5月18日月曜日

シッポ考。

このクマゲラの絵からはイマイチ伝わらなかったのだけれど
キツツキを見ると足だけではなく(指の向きもなかなか面白い)
しっぽの三点で体を支え、ガンガン土木工事をしているようだ
(脳震とうしないキツツキの頭の構造がヘルメットに応用された
らしいけれど本当かしら)。

しっぽで支えるといえばカンガルー。
彼らのボクシングは実を言うとキックボクシングでして、
というよりキックだけなことが多いように見えて、
その闘いを支えるのがしっぽ。
全体重がかかってるように見える野太い付け根。ちょっと
ゴジラを…というより、ゴモラに似ている気がした。

ヒトにもしっぽがあれば…と妄想するけれど、
もう「パコダテ人」という映画で描かれていたっけ。
あおいちゃんがカワイイ作品でしたな。

動物行動学の日高先生の本で、人間ほどおかしな哺乳類はないといった
話が書いてありました。なぜに毛がない?そして、なぜ猿では毛がないところに
毛があるのか?なんて。しっぽもない。いつごろ、どんな理由で退化したのか。
たまに先祖返りはあるらしいけれど。尾てい骨出ているヒトも
いますよね。

猫のようなしっぽが生えていたとすると、もうタテマエは
通じなくなりそう。あの方達は表情筋がない代わりに
しっぽで「イライラしているわよっ」とうったえますからね。
そうか。
ヒトは顔の表情で正面の相手に何かを伝える道を選んで進化したから
本心が出ちゃうしっぽは退化させ……んなわけないか。



2015年3月31日火曜日

タヌキツネコ 1号 。


「タヌキツネコ 1号 早春の話」
「根あけ」の追記。
なんとなく木のまわりだから雪解けが早いのだろうと思っていましたが、
どうやら雪面は陽光を反射するのに対して木の側は太陽の熱を吸収しやすく、
それで穴のように融けるのだろうという説を見かけました。
今度詳しい方に会えたらそれで正しいのか聞いてみたい。
漢字で書くと「根開け」。でも気分的には冬から春へ明けていくイメージ。
冬眠明けなら「寝明け」か。とはいえ春はウトウト。
冬眠から春眠にならないように散歩でもしたいものです。


と、こうして生き物とか自分のまわりの季節の話など
描けたら続けて行こうかと。

note.
https://note.mu/etobunsha/n/ne7884f547457


2015年3月9日月曜日

雨の札幌で春について書いた。

さいきん、文字レイアウトが見やすくて投稿しやすいことから
noteを使っています。
イキモノートってほどでもなく、お知らせするほどでもない
ただの思いつきをしたためる場所にしました。
https://note.mu/etobunsha

なんだかブログだとかSNSが飽和状態になってますが
いろいろ試行錯誤してみます。

最新の投稿は
雪解けの景色を見てふと思った
春先の話。

前にも掲載したこの絵の気分になりました。


また、啓蟄を思わせる生き物話は右のラベルから
「両生類」をポチッとしてもらえると
いろいろ出てきます。

よかったらどーぞー。

2015年2月4日水曜日

冬の街路樹。

ナナカマド(七竈、Sorbus commixta

東京の東側で暮らすようになって「ちがうな」と
思ったのが街路樹でした。
冬になっても緑色。葉も落ちない常緑樹。
寒椿も咲くので冬でもカラフルなんですね。

かたや札幌。
住宅街の街路樹といえばナナカマド。紅葉し、落葉し、
赤やオレンジの実をつけます。
色と言えばこれくらい。雪が積もれば山はモノクローム。
ついでに人々の冬服冬靴もダークな色合いになりますので
こちらも東京に比べたら地味です。

コートの色合いはともかく、
ナナカマドのある風景は好きですね。
野鳥もやってきて実をついばみます。
常連はヒヨドリ。
こないだツガイかと思ったら相棒は冬鳥のツグミでした。
たまたまかな?ケンカもしないで一本の木で食事して
いましたよ。
ムクドリたちも見かけます。

札幌市内、12月。

この写真はそっぽ向いたカワラヒワですが(…あれ?冬もいるんでしたっけ?)、
雪と鳥と赤い実のある景色はいいものです。
カラスも絵になります。

七回かまどに入れても燃えないからナナカマド。
と言われていますが、樹木医さんとお話したときに
聞いてみたら
「いや、燃えますよ」
とのこと。そりゃそうだ。
とはいえ、他の木と比べると燃えにくいらしい。
たきぎの下に敷いて使われたのも確かナナカマドでしたっけ?
あれね、ちょっと大げさですよね、ネーミングって。
まあ、七とか八にしたい気持ちはわかります。
燃えにくいけれど強く太く数百年と成長する木ではないので
これらの街路樹も十数年で更新が必要になるのでしょう。
街の景色も少しずつ手入れされていくのかもしれません。


前に描いたイラストだけど、
ナナカマドは冬のモチーフとしてつい描いてしまいます。
アイヌ語でキキンニって呼ぶ地域が多いのでしょうか。
フランス語ではソルビエ。
今の北海道ならソコビエって聞こえちゃう(ただし室内は常春)。

JR Hokkaidoも2月号ですね。
先月はトマムのペンションに現れるキタイイズナのイーちゃんを紹介。
今年はまだ出没していないようで、オーナーさんたち
イーちゃんファンは待ち望んでいるようです。
今月号は、この連載にしてはめずらしく(とほほ)
主役の野生動物に会えました。折しも爆弾低気圧の余波が
ざっばーーん!と残っていた強風の日に
野鳥を探すっつーんですから。
何に会えたのか、ぜひ誌面でご確認ください。勇払原野周辺です。

さて、立春。でもまだ北海道は冬本番ですな。
しばれるわ。

2015年1月5日月曜日

実家の庭。

シジュウカラ(四十雀、Parus minor、pake-kunne 頭・黒い)

シジュウカラはオナカのネクタイ模様が目印。オスはネクタイが太い。
冬、札幌の実家は小鳥たちの通り道(というかチェックポイント)に
なっているようです。
それほど緑豊かな場所ではないけれど、公園、集合住宅の植木、
街路樹のナナカマドを経由してやって来ています。
ツツピー。
斥候のシジュウカラが1羽。
特にエサやりはしていないので各植木の枝や幹をチェック。
冬囲いの縄をチェック。
すると今度はヤマガラご一行が。針葉樹の枝の中、
となりのアパートの軒や換気口をチェック。
今朝はこんなもんでしたが
(ワタシがレンズを向けたら逃げられた模様)
これにゴジュウカラが続くことも。

鳥に詳しい方と森歩きしていたら(晩秋)やはり小鳥各種の
団体が横切っていきました。
アカゲラも混じって。
これは身を守るひとつの作戦とのこと。
ひとつの群れで行動することで
監視の目を増やすことができます。
種によってエサを探す場所(木の高さ)も変わるので
さまざまな場所を警戒できるという
良さもあるようですよ。

アカゲラ(左)は札幌駅北側の街路樹で見かけたことがあります。北大近いからかな。
エサ探しにいっしょうけんめいになる冬は
小鳥の来訪が楽しみ。
ムクドリもヒヨドリもカラスも上空にはトビも。意外に野鳥は
身近です。
スズメはなかなか庭まで入って来ないのだけど。

2015年1月3日土曜日

年が明けたのでお仕事振り返り。

2015年です。
もうね、近未来まっしぐらですね。
空中を飛ぶ車とか転送装置とか出来ますね、きっと。
本年もどうぞよろしくお願いします。

2011茶路めん羊牧場の子羊スケッチ。
昨年の生き物仕事ふりかえり。

春から夏、新しいお仕事がありました。
環境省の生物多様性センターが日本の生物調査のために
制作している「いきものログ」のポスター用イラスト。

そして、震災後の生き物たちの生息地を調べる
「しおかぜ自然環境調査」のために配布する「しおかぜ学習帳」の
ためのイラストを制作しました。
http://www.biodic.go.jp/shiokaze_chosa/index.html
なにが初めてって、ハクビシンを初めて描きました。
ニホンザルもふだん描かないので面白かった。
まさに北海道と本州の違い、ブラキストンライン越えを感じます
(津軽海峡の生き物境界線)。
あ、ハクビシンは北海道のブルーリスト(外来種)に
載ってますけどね。

初物づくしだと、11月に、なんと講談社から書籍を
出すことができました。だいじけんかもしれません。
「狩りガールが旅するおいしいのはじまり」
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062192569
これ、この真ん中の本。
女性ハンターをテーマに作品を描きたいとはずーっと考えて
おりましたが、まさかコミックエッセイという形になるとは
自分でも驚きでした。
イラストコラムを生業としているワタクシがマンガを描けるなんて
うれしいこと。その気持ちは「あとがき」にしたためました。

この本のおかげで、昨年密着取材させてもらった
狩りガールデビュー後の「ありちゃん」とともに宣伝活動も。
慣れないラジオ出演が続くなど面白い日々です。
いろんな人のいろんな思いが集まった、気軽に読める本です。
たくさんの方々が読んでくれますように。

レギュラーの生き物仕事もありがたいことに継続させて
もらいましたよ。

ほぼ季刊のコープさっぽろ「モリイク」では
森のキモイキレイという企画をスピンオフさせて
森のコワイキケンという記事を描きました。
https://www.coop-sapporo.or.jp/hondana/ 
(こちらのサイトで読めますよ)
ちなみに同じ本棚の「ちょこっと11月号」のエゾシカ料理特集では
インタビューもしてもらいました。

車内誌JR Hokkaido「ほっかいどうイキモノート」の連載では
留辺蘂の水族館であまりにも楽しくて2時間に1本ほどのバスを逃し(1月号)、
円山公園でエゾモモンガの痕跡を探したり(2月号)、
道内でもかなりマイナーなフンベ山をクローズアップして
アイヌの昔話に興味を持ったり(3月号)、
4月号とはいえ取材時は一面真っ白な冷え冷え宮島沼を訪れたり、
水中写真のプロの作品でオショロコマちゃんのかわいさに
ズキュンドキュンだったり(5月号)、
円山動物園のコウモリ調査に関わって以来
ずっと描きたかった「札幌中心部にもコウモリいるんだよ話」を
描けたり(6月号)、
中学以来の洞爺湖中島で「あれ?鹿は??」とびっくりしたり(7月号)、
ヒグマルールを体験したくて知床五湖でガイドツアーへ行き
まさかの季節外れな降雪にあって雪と桜が混じる不思議な光景を見たり
(8月号)、昨年2月に訪れた西興部村猟区の話を紹介できたり(9月号)、
念願のマリモ博士への取材日がたまたまNスペシャルのすばらしい
マリモ特集番組(もちろん博士出演)放送翌日でラッキーやら
照れくさいやらの10月号、稚内駅は道の駅と同じ建物なのかと感動して
最北の水族館で風船を見たり(11月号)、
白老のアイヌ民族博物館で北海道犬を飼いたくなったり(12月号)と、
北海道を好奇心だけで回りました。

ちなみに現在乗車している1月号は占冠。トマムの森と宿と白い小さなイタチの
話です。 そろそろイイズナが宿を訪れる季節かな?
どうかな?野生動物なのでどうなるかわからないところも
魅力ですね。

おそらく本年も北海道の野生動物に関するお話を聞いては
「ほえ〜〜」っと感動し、シカ肉料理に感動し、
スキマに海外ドラマを見つつ過ごすのでしょう。
せめてジム通いできますように。会費を寄付で終わらせませんように。

今年も取材と制作に関することなど、
いろいろとご協力をお願いするかと思いますが
どうぞよろしくお願いいたします。

イタリア語で羊はpecora。ワタクシのアダナはpeco。なんか他人とは思えない。ちなみに動物占いも羊。

新岡薫/エトブン社