2016年3月29日火曜日

距離感。


テレビで花見のリポート。宴会する日本人を珍しそうに楽しそうに眺める
観光客。すると、桜の枝を触っていた観光客をマナー違反として報じて、
リポーターはちゃんと注意をしていた。
その外国人観光客はこう言っていた「とってもきれいで、やわらかそうで。
さわってみたかったの」。
それを見て、正直触らせてあげたいなあと思う気持ちが。だって、私だって
触ってみたい。でも確かに、大勢が自撮りのために枝に触るのは
桜の木には迷惑だろう。とはいえ、折らないように、そーっと触ることを
知る体験はあってもいいのかも(桜の名所ではそうはいかないのだろうけど)。
どうしたら折れてしまうか、それくらいの加減を知っている大人で
ありたいし。お花のしっとり、ふわっとした感覚って気持ちいいし。

森の入口その2 下描きの下描き。
今月(3月)のJR Hokkaido に連載している「ほっかいどうイキモノート」
では、ばいかださんこと徳田さんにカエルのお話を聞いている。
彼の話を聞いていると、野生には触れない、近づかない、ではなく、
そっと触ったり、間近に観察することで、より生き物に興味を持てるんだな
と思った。カエルのことが気になったら、カエルの棲む池のことも
気になるかもしれない。五感を使えば、より記憶につながるものね。


そんなにわんぱくだった思い出はないし、自然いっぱいの場所で育った
わけでもない。それでも、タチアオイを見ればコケコッコ、オオバコを見れば
ラーメン、シロツメクサは花輪に四つ葉探しと何かを思い出せる。
草花をつんで、さわって、膝小僧や指先が草の汁で染まる感覚がして青くさい。
最近は取材を通して森歩きの面白さを教えてもらい、子どもん時にこんな
こと教えてもらえたらなああ、なんて毎度考えている
(いや、虫こわい、知らない人と一緒なの嫌と
楽しめなかったのかもしれないけどね)。

コープ未来の森づくり基金で出している冊子モリ・イクで
山本牧さん(NPO法人もりねっと北海道代表)の監修で連載していた
「森のコワイ!あぶない?」。私は絵と文でご一緒したページ。
ここには森や原っぱ遊びで出会いそうなあぶない?できごとに
どう対応するか?のヒントを紹介してきたのだけど、
それを一冊にまとめたのが
モリイク別冊「森のコワイ!あぶない?野山の安全ノート」。
ネットでも見られます。
http://www.coop-sapporo.or.jp/contents/view/id/82

ここでも牧さんが話してくれたのは、「あぶない」を遠ざけるのでは
なく、「知る」ことで森の中で安全に楽しく遊ぶこと。

あ、桜にどんどん触ってってことじゃなくて、
なんでもダメじゃなく、時に触って、時に察して、
いろんなものとの距離感をうまくつかめたらいいのになーって
気持ちと告知でした。