2010年12月20日月曜日

勇、サンキュー。


スケッチブックに残るオスジカ。円山動物園のボスジカ、勇をモデルに
何度も描きました。


そんなイサム氏が死んでしまいました。おそらく老衰でしょう。
体調くずした頃を見ていたお友達の話では
あの巨体を支えきれずによろよろしていたようです。

思い出すよね。今年の秋、角切りの日。
午後いっぱい観察してました。
お互いの危険防止のために麻酔を打って作業。
立派な角です。機会があれば持ってみてほしいのですが、
あんな重い角(しかも二本)頭につけていられる
大きな体躯、
麻酔なんかすぐききません。
何度も倒れそうになっては「なるものか!」と
体を支え、本当に眠ってしまう瞬間まで
仁王立ちしてました。
なんども、危ないから麻酔効くまで座っててほしいって
思ったけどね。
飼育下の個体だけど、野生のチカラすごいなって
素直に感じました。


鹿の子模様がなければ、アングラー牛に見えなくも…

角切られて麻酔から覚めたイサム。角はなくても
オラオラオラと餌場を独占。


角はなくても若いオスには負けん、とばかりに角突き。
たぶん今度も、倒れてなるものかとギリギリまで
がんばったんだろうな。


夏のイサム。バンビ柄が妙な感じに見えるほどの貫禄。
野生下でこんな大鹿と出合ったらカタマるかも。

特に今年、一番観察させてもらいました。
そのことをつぶやいたら東京三軒茶屋の「エゾシカフェ」にて
おいしく追悼してくれた模様。

ワタシだって冷凍庫にはエゾシカ肉があるけれど、
やはり名前を覚え、観察し続けた動物には
ちょっと思い入れができちゃうね。

これでしばらくは立派な角の個体がいなくなります。
あとのオスはまだまだ貫禄の出てこない
二頭。角の長さもまだまだ。
そんな二頭の勢力争いも気になります。
来年の秋が楽しみだ。


全道のオスジカの皆さん、動物園の柵の前で
ビイビイ言ってたら(あばれたら逆効果ですよ)
安心安定生活が叶うかもしれません。
ただし繁殖はできないでしょう。でも
食事と健康管理についてはご安心を。
おたる水族館には自ら売り込んできたトドのガンタロウ氏が
いますから。

勇、どうもありがとう。


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