2010年11月16日火曜日

とる、たべる、えぞしか。【冬のはじまり編】

エゾシカ(蝦夷鹿、Cervus nippon yesoensis


さて、野生生物を描きたくて、いろんなところに首をつっこんでいる
ワタクシですが、今年はなんといっても
エゾシカとの関わりが強くなっちゃった。
姿カタチも、生態も、食材としても
興味深い存在です。
 で、
先月の23日はエゾシカの狩猟解禁日。
すでにワタクシ、おいしいエゾシカ料理に
ありついております。ふふ。


その解禁日同日、こんな会が立ち上がりました。
通称、
ベニソン・パートナーズ
正式名称は、「安心・安全なエゾシカ料理普及促進協議会」)
なにかというと、
安全な、ちゃんと処理されたおいしいエゾシカ肉を食べましょう。
そんな北海道が認めた推奨肉を使ったエゾシカ料理を
出すお店を増やしましょう。
って、コツコツ活動する会です。

いや、別にコツコツじゃなく、ガツガツ活動しても
いいんだけど。なんとなく、
地道に行くイメージを出してみました。

牧場で増やしたわけでもない、文字通り北海道産の
食材、エゾシカ肉を北海道名物にしたい。
北海道グルメにしたいと考えている人たちの
集まりです。

ちなみに毎月第4火曜日はシカの日。
 http://www.yezodeer.com/syokutaku/sikaday/index.html

エゾシカが北海道におよぼす食害は深刻です。
ねんねん深刻になってる。
北海道新聞はじめ記事にもなっているので
さいきんは「増えてるんだって?(頭数も被害額も)」と
聞かれることも多くなりました。
増えているようですよ。

そして逆に、ハンターさん、減ってます。
ひとりが撃って処理できる頭数にも限界があります。
だってさ、
ちょっと想像してみてくださいよ。
一頭から20kg以上のお肉がとれるエゾシカ。
運ぶのだけでもたいへんだ。
そしてもっと食べないと、「食材」じゃなくて「駆除個体」なだけに
なっちゃう。

モッタイナーイ。

だって、

エゾシカは、

こんなにおいしいのに。

ゴミにしちゃうなんて、申し訳ない。

しかも、

栄養素が女子にうれしいんですよ。
鉄分補給にいい。ダイエットにもいいかも。
自然の美容食って言いたいかも。
というような「おいしい話」を、先月円山動物園で開催した
エゾシカセミナーでは
ぺちゃくちゃとオシャベリしてきました。
(釧路短大の管理栄養士・岡本先生、酪農大の伊吾田先生、
エゾシカ協会 のお話を参考にさせてもらって)

これから数回、
こんなエゾシカのおいしい話と
ベニソン・パートナーズのお話を
書いて描いていきますね。
ちなみに、
月刊ソルビエ」の連載コラムでもエゾシカについて描きました。
 http://www.sorbier.jp/column05/index.html


で、
先月途中まで描いて眠らせていた円山動物園のエゾシカの様子を
時間差でお届けします。
以下、
ちょっと前に描いたものです。
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10月9日の円山動物園。2歳オス。バックにあるトウキビは、
電柵撤去後、その日のうちに食べられました。
でもこれは数ヶ月研究に協力してもらったお礼でしょう。
フィーヨーー。
きょ年も聞いたラッティングコール。
でも今年はもっとエゾシカに近づいた年。「嫁さん、ほしーよーーー」って
「聞きなし」されてるオスジカの声もなにやら
特別に感じる。
秋から冬へ、発情の季節ですね。

円山動物園の三頭のオス。去勢しているそうだけど
本能はオスのまま。角突きするし、「ぬた場」で泥浴びして
オレ、オスだぜ。
キテるぜ。
とアピール。
高齢と言われるボスジカが一番ムンムンで、
そうね、
津川さん、
雅彦さん以上のムンムンさ。

「ニオイもすごいですよ」
というので風下にまわって、くんかくんかと…

くさっ!!

田舎のボットンどころじゃない「ツンと臭」が
文字通り鼻をつく。
ぬた場にはオシッコと精液を放って浴びてますのでね。

メスジカにはグッとくるんだろうけど、
ヒトのメスであるワタシには届きませんでした。
でも泥まみれの雄々しい姿は
格好いいぞ。

ーーーーーーー
古い日記、ここまで。

ここんとこ動物園には行けてないので
発情期のその後がわからないのだけど(近々見てきます)、
山や森に入って、フィーヨー…を聞いた人も
いるのではないですか?
なんとも切ないあの声、
いろいろ見てみると(ネット中心ですが)
嫁さん探しというよりも、他のオスに対する
けん制の意味合いの方が強いのかもしれません。


2 件のコメント:

  1. 初めまして、釧路在住のユンボギと申します。
     
    釧路短大の岡本女史とは飲み友達なこともあって
    エゾシカは「おいしい食材」として関心を持っています。
     
    いろいろな生き物の興味深い生態がつづられた
    エトブン社さんのこのブログ、
    これから楽しませて頂きますね。 

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  2. ユンボギさん>ようこそいらっしゃいました!
    つい先週岡本さんと飲んだところでしたよ。
    先生の食に関するお話、「さすが釧路の人だなあ」と
    思いますね~。

    微生物から恐竜までとりあげる予定ですが、
    今はまだチビクモからヒグマまでです。
    エゾシカについてもたくさん描いていきますので
    よろしくです!

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