「列車に揺られて会いに行こう ほっかいどうイキモノート」は
ことし3月号にて最終回となりました。
最終回の三月号は子どもの頃から作品を観てきた 獣医の竹田津実先生を訪ねました。 主役の動物はキタキツネ。 見出しは「生き物を見つめて、見つめられて。」 |
お話を聞くのが大好きで、ライフワークとして描いている「イキモノート」。
まだまだ描きたいことはありますが、JR北海道の車内誌での連載は
ひと区切りつけさせてもらいました。
いやあ、おかげさまでいろいろな面白おかしい旅に
出かけましたよ。
はじまりは水族館の飼育員さん。登別のマリンパークでした。
最初なので実はお友達を頼って訪ねたんです。
そこからはじまって、水族館や動物園の飼育員さん、獣医さん、
博物館の学芸員さん、生き物の調査員さん、学校の先生、生徒さん、
いろいろな分野の専門家さんたち、写真家さん、漁師さんに猟師さん、
「肩書きは飲んだくれです」なんて笑う方、ラジオ局の方、
公務員のみなさん、地域の方々にお世話になって
お話を聞いて。生き物が主役のイキモノートなんですが、
この連載でいろいろな方と会ううちに
生き物よりも人間の方が面白いことも多々あり、
すっかりマニアなみなさんのお話を聞くのが大好きな
マニアのマニアとなりました。
快適な館内でお話を聞く取材もあれば、
筆者みずから体験する体当たりな旅も多かったです。
たいてい、ぐーたらな運動不足生活からの
旅に出て、森やら山やら海などで張りきり、
帰って来てから数日真っ白な灰と化し、
旅を反すうしながら描いて書く、
みたいなことを繰り返していました。
海外ドラマを20時間ぶっ通せと言われれば
じっと座っていられるインドア派であり、
好奇心のままに外に出かける旅好きでもある。
もっとほどほどだと、筋肉痛にならないのにね。
野生動物を見に行こうとは描いているものの、
そうそう実際に会えるものではありません。
そのかわり、専門家の案内で行く道筋や痕跡、
音や気温、安全対策や酔い止めまでが楽しくて、
生き物が登場しなくても毎度満足度は高かったです。
初めてのことも多く、道産子で乗馬したり
(取材の最後に「乗馬するなら走らなきゃ!」と
直線を走らされて絶叫)、支笏湖でダイビングしたり
(水温15度くらい。極寒。ダイバーの友人曰く「いいかい、
初めてのダイビングっていうのは暖かい海でキレイな
魚をみるもんだよ」)、慣れない登山にも何度か
(いつも遅いワタシを登山下山させてくれた
皆さまありがとう)。
ほぼ企画するのは自分で、その要望にあわせてアテンドして
いただくことが多かったですね。みなさん、
シロウトの思いつきを良い方向に誘導してくれ、
プラスアルファの興味深いお話を聞かせてくれました
(中には取材相手の方からオファーをいただくこともあり、
それも未知の世界が広がる良い体験でした)。
「夜の森の音を聞いてみたいんです」
というリクエストに応えてくれた自然ウォッチングセンターさんには
ほんと、今思い出しても、夜遅くまでお付き合いいただいて
ありがたかった。トラツグミの声が怖かった。
そう、暗闇はこわいものだった。
この7年間で好きになったことのひとつが
乗船でした。小さな昆布漁の船もあれば、荒波ざっぷんの
漁船、大きな遊覧船。2月の根室の海鳥クルーズは
極寒だけどまた行きたい。釧路沖で8時間甲板から
背びれを探したシャチ調査船にもまた乗りたい。
大小いろんな島にもまた渡りたい。
ほんと、毎度いろんな発見がありましたね。
ってか、連載終了後の今も相変わらず
ちょこちょこ出かけておりますが、描きたい出来事だらけです。
近所も遠くも面白い。
そうそう、旅と言えば、
道内各地はおいしくて。
じっさい、記事の中でも
エゾシカ、ゴッコ、ミズダコ、ホッケ、カニ、チョウザメ…
生き物であり食材である皆さんに登場して
いただきました。
おかげで連載当初の取材では
「似顔絵よりもほっそりしてますね」と
言われたこともあったのに、
どんどんイラストの筆者の丸めの姿に
近づき、イラストもさらに丸くなっていきました。
さすがにこれは丸すぎじゃない?と 女友達はやさしい。 |
最初は札幌発でガタンゴトン出かけていたのが、
のちに東京暮らしになり、まず最寄り空港まで飛んでから
ガタンゴトン生活に。そして昨年また
札幌に戻ってきました。
基本、移動はJRなどの公共交通機関。
山の水族館を出て2時間に一本のバスを逃した時は
ひとりで笑ったなあ。手を振ってバス追いかけたの
初めてかも。
でも時々は車も利用しました。野生動物に関わる人は
なかなか駅チカ物件にはいてくれませんから。
運転してくれた皆さんありがとう。本当に助かりました。
おかげで観光地はもちろん、あまり観光客が訪れない場所も
たくさん知ることもできました。
道北の駅で。 |
毎号取材協力していただいた皆さん、
取材相手を紹介してくださった皆さん、
いろいろアドバイスしてくれた皆さん、
毎号遅筆な原稿を素早く仕上げてくれた
編集・制作の皆さん、JR誌づくりに関わる皆さん、
感想を送ってくれた愛読者の皆さん、
それほど愛読でもないけど読んでくれた皆さん、
本当にありがとうございます。
ものすごく遠回りして網走入りした釧網線。 |
「今月の自分みやげ」という小さなコーナーは取材相手のお薦めや 筆者のお気に入りが載ることが多かった。 この学芸員さんが考案してカタチになった 二枚貝の化石のキャラクター「いのせらたん」は 記憶にのこる自分みやげだったなあ。 |
もちろんこれからも北海道を中心に野生生物に
関わる取材を続けてイキモノートに記します。
彼らの魅力、生息域のこと、取り巻く環境、私たちとの関わり、
そして彼らを
じーーーっと見つめ続けている方々のことを
描けるといいなあ。
今年もいろいろ歩き回る予定ですので(ダイエットもかねて)
ピンと来ましたらどうぞご用命くださいな。
※イラスト内の文章は掲載されたものと異なる場合があるかもしれません。
何度も誤字を発見してくれた編集さんにも大感謝。手描き文字の誤字ほど
馬鹿丸出しな恥ずかしさはありません。
かさねがさね、本連載をいっしょに作ってくれた皆さん、
読んでくれた皆さん、どうもありがとうございます。
なんとか書籍化、目指したいですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿