2010年1月18日月曜日

捕食者のニオイをつけるリス。擬臭。

エゾリス(蝦夷栗鼠、Sciurus vulgaris orientis
北海道だけに生息するキタリス種の亜種
いろんな生き物に興味がありますが、
ちっちゃくてかわいいヤツより、
小学生男子のように
ちょいコワモテ動物にひかれます。
だからさ、仕事以外でリスを描くことは
あまりなかったんです。

そんなある日、こんな行動学に
出合いました。
2007年12月朝日新聞の記事によると(*)
カリフォルニア大のクラカスさんが
「ジリスと呼ばれるリスの仲間などが、
ガラガラヘビの皮をかんでから
自分の毛皮をなめ、においをつけている
こと」を観察したとのこと。

擬臭です。
生き物が補食や身を守るために自分を「装う」習性では
擬態の方が有名ですが、これはその
ニオイ版てな感じか。
自分を捕食するヘビに「ほかのヘビがいますよ」と
思わせる?

そんなリスの行動について、ワタシの好きな
この本にも書いてありました。
「先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!」
著者は人間と動物の行動学が専門の
小林朋道教授(鳥取環境大学)。
ここ数年読んだ本ではベスト5に入るかも。
1Q84より上位。 いや、1Q84まだ読んでなかった。

小林先生が実験したのは野生のシマリス。
捕獲したヘビに麻酔をかけ
リスの行動範囲に置く。
するとリスは逃げるどころかヘビが動かないのを
確かめ、頭をかじり、それを自分に塗りつけたと。
これ、シベリアシマリス以外のげっ歯類では
見つかってなかったそう。そんなところに
届いたのが最初のジリスのニュースでした、
と書いてあります。

食べられるかもしれない相手に
近づいてかじる!チャレンジャーだなあ。
それが脱皮した皮だって嫌なもんでしょ?
そこまで恐怖と習性がとなりあってる
のって面白いなあ。

そこで思う。
それならエゾシマリスもやるかも。
ってことは、同じく樹上生活リスのエゾリスだって
やらないかな?
カラダの大きなエゾリスよりも
シマリスのが、やんちゃらしいけど。
でもあの風体、やりかねないんじゃないか?

エゾリスを観察していて思ったんだけど、
そんなに言うほどカワイくないんですよ。
シマリスと比べて、ケモノ度高し。
指なんて悪魔っぽいし。
けっこう好みかも。

というわけで、そんな思いを描いてみました。
エゾリスが擬臭行動をとるかは
わかりません。
絵で手にしているのはアオダイショウの
しっぽです。どこかにウロコの一部も
切り抜きされてたりして。

もし手元にアオダイショウの皮か
尿の固まりなんかがあれば、
そっと、あの森のあの辺に
置いてみたくなる衝動にかられるなあ。

うーん、やっぱり
かわいいね。





*該当記事はただいま探してるとこです。

4 件のコメント:

  1. やっほ♪

    一昨年の秋、円山動物園バス停側の道路を横断したエゾリス。

    運転していた私はパニック。

    ええ?と思ったら道路の真ん中で固まったんだもの、あちら。

    その一瞬後、彼女(?)は!と気が付き森へ走り去ったのでした。

    ひょっとして動物園内のヘビに会いに行ったのかしら?

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  2. すごいですね、シマリス。ヘビのニオイこすり付けるなんて、はじめて知りました。
    ヘビに近づいてニオイつけること自体すごいですけど

    天敵のニオイつけたまま生活できるって…度胸あるなぁ。

    早速リンク張らせていただきました。どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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  3. mayoさん>ふふ。って笑い事じゃないですね。
    あの山から円山駅に行く道、カーブだらけで
    歩行者もあぶないのに、リス立ち止まりはやめてくれ。
    さすがにリスの爬虫類館進入はむずかしそうだけど、
    閉園後にキタキツネが園内進入を試みてるとこは
    目撃したことあります。

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  4. 新米鷹匠さん>リンクありがとうございます!
    まだ横のメニューが全然完成してないので
    リンク載せることになったら早速紹介させて
    くださいね。

    小動物にとっての敵の認識ってなんなんで
    しょうね。動物園でカラスがオオカミの
    シッポをつついてたんです。
    オオカミ通の人に聞くとエサの横取りのためも
    あるけど、度胸試しにも見えると。
    じっさいオオカミに狩られることもあるのに!

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